トラッキング結果を向上させる基本的な方法
以下の基本的なテクニックを使うと、トラッキング結果が向上します:
適切な参照パターンを見つける
-
フッテージを何回か再生して、以下の規則にできるだけ合致する参照パターンを見つけます:
ドット、交点、コーナーなどの垂直エッジが含まれている。ラインおよび直線状の枠線は使用しないでください。
ハイコントラストパターンである。
ブライトネスやカラーの変化がスムーズまたは均等である。カラーまたはブライトネスの変化の不均等な例としては、参照パターンを横切る鋭いエッジのシャドウが挙げられます。
クリップのすべてのフレームに表示される(画面外に移動したり、ほかのオブジェクトによって隠されたりすることがない)。
クリップ内の同じ領域にあるほかのパターンとは異なっている。
トラックポイントを手動で変更する
解析後のモーションパス上でのトラックポイントの位置に満足できない場合は、個々のトラックポイントをドラッグして位置を調整することができます。
-
変更するフレームに再生ヘッドを配置します。
再生ヘッド位置にあるトラックポイントが強調表示されます。
-
以下のいずれかの操作を行います:
キャンバス内で強調表示されているトラックポイントをドラッグして、位置を調整します。
「ビヘイビア」インスペクタで、「トラックのプレビュー」領域内をドラッグします。
微調整を行うには、ズームツールを使用して、クリップをズームインおよびズームアウトします。ズームはポインタに追随するため、キャンバスのトラックポイント上にポインタを配置し、ズームインする場合は右にドラッグします。ズームアウトする場合は左にドラッグします。通常の表示に戻すには、(キャンバスの右側の上にある)ズームレベルのポップアップメニューから「100%」を選択します。マルチタッチのトラックパッドを使用している場合は、ピンチオープンまたはピンチクローズを使用してズームイン/ズームアウトしてから、2 本指のスワイプを使ってズーム表示をスクロールできます。
「キーフレームエディタ」でトラッキングカーブを調整することもできます。「キーフレームエディタ」の使いかたについて詳しくは、キーフレーミングの概要を参照してください。
キーフレームエディタで不正なキーフレームを削除する
解析の完了後、場合によっては、クリップの一部を再トラッキングしなければならないことがあります。この場合、不正なトラッキングキーフレームをトラッキングするのではなく、不正なキーフレームを削除してから再トラッキングしてください。不正なキーフレームを削除しないと、トラッキングビヘイビアが引き続き古い参照ポイントを使用してしまう場合があります。
参照パターンを再トラッキングするフレームに再生ヘッドを配置します。
-
「キーフレームエディタ」で、削除するキーフレームをドラッグして選択します。
「キーフレームエディタ」が表示されていない場合は、「Motion」のプロジェクトウインドウの左下隅にある「キーフレームエディタを表示/隠す」ボタンをクリックします。
「キーフレームエディタ」内を Control キーを押したままクリックし、ショートカットメニューから「カット」を選択します(または Delete キーを押します)。
-
キャンバスで、トラックを参照ポイントまでドラッグし、「解析」をクリックします。
新しいトラックキーフレームが作成されます。
ヒント: 問題のあるトラックを複数処理する場合は、修正しないトラックをオフにして、「キーフレームエディタ」での表示を簡略化することができます。さらに、「キーフレームエディタ」でトラックを微調整する場合は、グラフ内の表示を簡略化することができます。以下のイメージには、簡単な 4 コーナー固定のカーブがすべて表示されています。
カーブのソロ化を実行するには、「キーフレームエディタ」のパラメータリストで、Option キーを押したままパラメータのチェックボックスを選択します。
キャンバスで不正なトラックポイントを削除する
解析中または解析後に、キャンバスで不正なトラックポイントを削除することもできます。
参考: キャンバスのトラックポイントは、「キーフレームエディタ」のキーフレームに対応します。
-
解析中に、Esc キーを押してトラッキングを停止します。
解析がすでに完了している場合は、手順 2 に進みます。
ツールバーで、「項目を調整」ツールが選択されていることを確認します。
-
キャンバスでトラックポイントがアクティブであることを確認します。
アクティブなトラックポイントがよく分かるように、キャンバスをズームインすることもできます。現在の再生ヘッド位置にあるトラックポイントは、ほかのトラックポイントよりも大きく表示されます。
参考: トラックポイントが選択されていない状態で Delete キーを押すと、パス全体が削除されます。
-
以下のいずれかの操作を行います:
Delete キーを押して、再生ヘッドの現在位置にあるトラックポイントを削除します。
-
トラックポイントの削除を始めるフレームに再生ヘッドを移動して、Delete キーを押します。
Delete キーを押すたびにトラックポイントが 1 つ取り除かれます。アクティブなトラックポイントだけが削除されます。
ヒント: トラックポイントが削除される方向は、「ビヘイビア」インスペクタの「逆方向」チェックボックスによって決まります。「逆方向」の選択が解除されている場合は、トラックポイントを削除するたびに再生ヘッドがクリップの先頭方向に移動します。「逆方向」が選択されている場合は、トラックポイントを削除するたびに再生ヘッドがクリップの終わりの方向に移動します。
「Motion」からヒントを得る
提案されたトラッキングポイントを「Motion」で表示することができます。提案されたトラッキング参照ポイントを表示するには、キャンバスに 1 つ以上のトラックが必要です。
-
Option キーを押したままポインタをキャンバス内のトラックの上に置き、マウスボタンを押して保持します。
提案された参照ポイントは、キャンバスのフッテージおよび拡大画面に小さい赤色の十字形として表示されます。
提案されたポイントに向かってトラックを動かすと、トラックがそのポイントにスナップします。提案されたポイントが、クリップ内のトラッキング対象特性にとって必ずしも理想的な参照ポイントであるとは限りません。「Motion」は、単に、参照パターン条件を満たす現在のフレーム内の位置(ハイコントラスト領域など)を選択しているにすぎません。
トラッキングの前にクリップからインターレース(フィールド)を取り除く
-
プロジェクトパネルの「メディア」リストでフッテージを選択し、インスペクタの「メディア」パネルの「フィールドの順番」ポップアップメニューでオプションを選択します。
参考: インターレースは、「スタビライズ」ビヘイビアの自動解析モードを使用してスタビライズされたクリップに存在する場合があります。
振動するクリップで複数のスタビライズ解析を実行する
クリップが特に振動している場合、このクリップを複数回スタビライズして、最初のスタビライズ解析では修正されないカメラの動きを取り除きます。
-
クリップをスタビライズし、そのクリップを書き出してから読み込んで、もう一度クリップをスタビライズします。
詳しくは、スタビライズを向上させるを参照してください。
クリップの参照領域をシャープにする
適切なトラッキング参照領域は、シャープなハイコントラストパターンから得られます。トラッキング前にフィルタをクリップに適用して、クリップの参照パターンをシャープにできます。トラックでは、クリップにフィルタを適用した結果ではなく、そのクリップが解析されます。
「シャープ」フィルタをクリップに適用し、そのパラメータを「フィルタ」インスペクタで調整します。
クリップを書き出し、このクリップを再びプロジェクトに読み込んでから、元の(書き出した)クリップを削除するか、無効にします。
トラッキング操作をもう一度実行します。
トラックでは、クリップにフィルタを適用した結果ではなくそのクリップが解析されるため、クリップを書き出してプロジェクトにもう一度読み込む必要があります。