レイヤーのブレンドの概要

「不透明度」パラメータはレイヤーの均一的な透明度を定義するのに対して、ブレンドモードでは、より多くの創造的なオプションにより、各レイヤーのカラーを基に重ね合わせるイメージの相互の関係を制御できます。デフォルトでは、各レイヤーのブレンドモードが「通常」に設定されているため、レイヤーの不透明度に対する変更は、イメージのすべての部分に等しく適用されます。

ブレンドモードでは、「不透明度」パラメータの設定内容に関係なく、レイヤーの透明な状態を作成できます。これは、イメージのピクセルが、選択したブレンドモードで、キャンバス内のすぐ後ろにあるレイヤーのピクセルと結合されるためです。たとえば、2 つのレイヤーを重ね合わせて、前面のブレンドモードを「スクリーン」に設定した場合、「スクリーン」が設定されたイメージの暗い領域は透明になり、明るい領域は明瞭になります。結果として次の図のようになります:

キャンバスに、「スクリーン」ブレンドモードを使ってブレンドされた 2 つのオブジェクトが表示されています

重要: たいていの使用可能なブレンドモードで作成した透明度は、レイヤーと重なった背後のレイヤーとの結合方法だけに影響します。これらのブレンドモードは、レイヤーのアルファチャンネルには影響しません。レイヤーのアルファチャンネルに影響するブレンドモードについては、アルファチャンネルを操作するブレンドモードを参照してください。

各ブレンドモードは、異なる方法でレイヤーを結合します。たとえば、前面のレイヤーのブレンドモードを「乗算」に設定した場合は、イメージの暗い領域が明瞭になり、明るい領域が透明になるという「スクリーン」ブレンドモードとは反対の結果が得られます。

キャンバスに、「乗算」ブレンドモードを使ってブレンドされた 2 つのオブジェクトが表示されています

ブレンドモードは、レイヤーとその背後のレイヤーとの結合だけに影響します。それらよりも前面で表示されているレイヤーが透明であったとしてもこの相互関係にまったく影響しません。以下の例の前面にあるテキストレイヤーは、背後のブレンドされたイメージにまったく影響していません。

キャンバスに、ブレンドされたレイヤーの前面にあるオブジェクトが表示されています

レイヤーをさまざまなブレンドモードで重ね合わせる場合、最も背後にある 2 つのレイヤーが最初に結合されます。次にそれらの結合が 1 つ手前のレイヤーと相互に作用し、順にすべての重なり合ったレイヤーが結合されて最終的なイメージができます。この場合、各レイヤーに特定のブレンドモードが指定されているため背面のイメージとのみ作用します。背面のイメージが単独のレイヤーか、ブレンドされた 1 組のレイヤーであるかは関係ありません。

「Motion」の各ブレンドモードは、「不透明度」のパラメータと連携して機能し、前面と背面のレイヤーの作用を変化させます。レイヤーの不透明度を調整すると、レイヤーに割り当てられているブレンドのエフェクト量が減少しますが、レイヤーの可視度も低下する結果になります。これにより、任意のブレンドモードを必要に応じてカスタマイズできます。

ブレンドモードは重なり合ったレイヤーだけに影響し、プロジェクトの背景カラーには作用しません(背景が「環境」に設定されている場合を除きます)。ほかと重ならないレイヤーにブレンドモードを指定した場合、そのレイヤーは前と同じ状態のまま変更されません。