リグの概要

比較的基本的な Motion プロジェクトにも、大量のパラメータコントロールが含まれています。リグを使うと、コントロールをカスタマイズできるほか、複数のコントロールを組み合わせることもできます。

リグを使用することにより、1 つまたは複数のパラメータをプリセット値で 1 つのコントロールにマップできます。たとえば、1 つのスライダのリグを作成して、テキストオブジェクトのサイズ、色、および文字間隔を特定の範囲のプリセット値に変更することができます。また、プロジェクト内のすべてのオブジェクトのシャドウと反射を有効にする単一のチェックボックスのリグを作成できます。

リグ内のカスタマイズされたマスターコントロール(チェックボックス、ポップアップメニュー、およびスライダ)は、ウィジェットと呼ばれます。ウィジェットを作成することで、プロジェクト内のオブジェクト(ビヘイビア、フィルタ、パーティクルシステム、リプリケータ、テキスト、シェイプ、ビデオクリップ、イメージ、カメラ、ライトなど)のほぼすべてのパラメータを調整することができます。さらに、ウィジェットはほかのウィジェットを制御することもできます。各ウィジェットが影響を及ぼすパラメータの数に制限はありません。リグ内の複数のウィジェットを使ってカスタマイズしたコントロールパネルを作成することで、数個のコントロールでプロジェクト内のさまざまなパラメータを変更することができます。

リグが特に便利なのは Final Cut Pro X テンプレートで、複雑なパラメータグループを変更するために少数のコントロールを操作するだけで済むようにしたり、プロダクションチームの経験の浅い合成技術者や編集者でも、設定された仕様に確実に従って顧客の要求を満たしたりすることが可能になります。また、「Motion」で複雑なプロジェクトのコントロールセットを簡略化する場合にもリグは便利です。個別のパラメータを操作して変更を加える代わりに、リグ内の 2、3 のウィジェットのみを使って Motion プロジェクトを変更できます。Motion プロジェクトを簡略化するリグの例については、1 つのリグの使いかたおよび複数のリグの使いかたを参照してください。

次の図に示すインスペクタのリグには、複数のオブジェクトの色を制御できる単一のチェックボックスが含まれています。チェックボックスの名前は自由に変更できます(「暗いカラー」)。

リグのコントロールが表示されたインスペクタ