「パーティクルセル」コントロール

パーティクルセルは、キャンバス内でエミッタにより生成されるパーティクルの「型」と考えられます。「セルコントロール」グループにあるパラメータによって、エミッタから放出された後のパーティクルの動作が決まります。「セルコントロール」は、パーティクルシステムが選択されているときは「エミッタ」インスペクタの下部に表示され、パーティクルセルが選択されているときは「パーティクルセル」インスペクタに表示されます。

「パーティクルセル」インスペクタ

セルコントロールを使って、エミッタのセルを調整します:

  • 発生量:セルの発生量、つまりこのセルのパーティクルがエミッタから毎秒いくつ放出されるかを指定するスライダです。値を大きくすると密集したパーティクルが放出されます。

    発生量の低いパーティクルシステムと発生量の高いパーティクルシステムが比較されています
  • 発生量のランダムの度合い:生成されるパーティクルの発生量の変動の量を指定するスライダです。値が 0 の場合、変動はありません(パーティクルがエミッタから同じレートで放出されます)。値が 0 より大きい場合は「発生量」スライダで指定された変動が適用され、「発生量のランダムの度合い」の設定の範囲内でランダムな値が加算または減算されます。

  • 初期値:パーティクルの初期値を指定するスライダです。このコントロールで、パーティクルエフェクトの最初のフレームに表示するこのセルのパーティクルの数を指定します。これによって最初に大量のパーティクルを発生させ、「発生量」設定に基づいて徐々に均等になっていくエフェクトを作成できます。

    キャンバス。「初期値」の設定の効果が表示されています
  • 表示時間:すべてのパーティクルの継続時間、つまり各パーティクルが表示されてから消えるまでの時間を秒単位で指定するスライダです。このエフェクトは火花から飛び散った火の粉の消え方と似ています。「表示中のカラー」設定または「表示中の不透明度」設定(どちらも後述)でパーティクルが表示中にフェードアウトするように指定した場合以外は、パーティクルは表示時間が終わるとすぐに消えます。

    キャンバス。「表示時間」パラメータのエフェクトが表示されています
  • 表示時間のランダムの度合い:生成されるパーティクルの表示時間の変動の量を指定するスライダです。値が 0 の場合は変動はなく、選択されたセルのすべてのパーティクルの表示時間が同じになります。値が 0 より大きい場合は「表示時間」スライダで指定した変動が適用され、「表示時間のランダムの度合い」の設定の範囲内でランダムな値が加算または減算されます。

  • 速度:最初の速度、つまりエミッタから遠ざかる各パーティクルの速度を指定するスライダです。この設定と「表示時間」設定および「発生量」設定が連携して、特定のフレームでのキャンバスに表示されるパーティクルの数が決定されます。このパラメータは HUD のグラフィカルな放出コントロール機能の 1 つに相当します。

  • 速度のランダムの度合い:生成されるパーティクルの速度の変動の量を指定するスライダです。値が 0 の場合は変動はなく、選択されたセルのすべてのパーティクルが同じ速度で放出されます。値が 0 より大きい場合は「速度」スライダで指定された変動が適用され、「速度のランダムの度合い」の設定の範囲内であらかじめ設定されたランダムな値が加算または減算されます。

  • アングルを揃える:このチェックボックスを選択すると、パーティクルは配置されたシェイプに合わせて回転します。このパラメータは、「シェイプ」(「エミッタ」インスペクタ内)が「矩形」、「円」、「イメージ」、「ボックス」、および「球」に設定され、さらに「調整」が「タイル状に塗りつぶす」または「ランダムに塗りつぶす」に設定されている場合、または「シェイプ」が「ポイント」に設定されている場合を除くすべての場合に使用できます。

  • アングル:新規パーティクルが生成される場合の、回転の角度(度単位)を設定するダイヤルです。

  • アングルのランダムの度合い:生成されるパーティクルの角度の変動の量を設定するダイヤルです。

  • スピン:システムのパーティクルをアニメートするダイヤルです。最初は各パーティクルをその中心の周りで回転させます。このコントロールは 1 秒当たりの度数で調整します。

  • スピンのランダムの度合い:生成されるパーティクルのスピンの変動量を設定するダイヤルです。値が 0 の場合は変動はなく、選択されたセルのすべてのパーティクルが同じレートで回転します。値が 0 より大きい場合は「スピン」パラメータで指定した変動が適用され、「スピンのランダムの度合い」の設定の範囲内でランダムな値が加算または減算されます。

  • アディティブブレンド:デフォルトでは、「通常」ブレンドモードを使ってパーティクルが合成されます。このチェックボックスを選択すると、重なったパーティクルがすべて「アディティブブレンド」モードで合成されます。その結果、重なったオブジェクトのブライトネスが強調されます。このブレンドは、「情報」インスペクタの「ブレンドモード」パラメータで設定された合成方法に付加されて適用されます。

    キャンバス。「アディティブブレンド」の設定の効果が表示されています
  • カラーモード:パーティクルを色付けする方法を設定するポップアップメニューです。以下の 5 つのオプションがあります:

    • オリジナル:パーティクルはソースレイヤーからのオリジナルカラーを使って生成されます。この設定を選択すると、「表示中の不透明度」グラデーションエディタが使用可能になります(後述)。

      キャンバス。「オリジナル」カラーモードに設定されているパーティクルシステムが表示されています
    • カラー化:「カラー」パラメータで指定した色を使ってパーティクルに色が付けられます。この設定を選択すると、さらに「カラー」および「表示中の不透明度」コントロールが表示されます(後述)。

      キャンバス。「カラー化」カラーモードに設定されているパーティクルシステムが表示されています
    • 表示中のカラーから選択:「表示中のカラー」グラデーションエディタ(後述)で指定したカラーの範囲内で、パーティクルに表示時間に応じて色が付けられます。

      キャンバスと「インスペクタ」。カラーモードが「表示中のカラーから選択」に設定されたパーティクルシステムと、カラーを決めるために使うグラデーションが表示されています
    • カラーの範囲から選択:「カラーの範囲」グラデーションエディタ(後述)で指定したカラーの範囲内で、パーティクルにランダムに色が付けられます。グラデーションのポイントはランダムに選択されるため、各カラーの領域の相対的なサイズによってカラーの使用される頻度が決まります。

      キャンバスと「インスペクタ」。「カラーの範囲から選択」に設定されたパーティクルシステムと、カラーを決めるために使うグラデーションが表示されています
    • イメージカラーの適用:パーティクルが生成された位置のイメージのカラーに基づいて、新しい各パーティクルに色が付けられます。このメニュー項目は、「エミッタ」インスペクタで「シェイプ」ポップアップメニューが「イメージ」に設定されているときにのみ使用可能です。

  • 表示中の不透明度:パーティクル表示中のパーティクルの不透明度の変化をアニメートするグラデーションエディタです(「カラーモード」を「オリジナル」または「カラー化」に設定した場合に使用できます)。グラデーションコントロールの使いかたについて詳しくは、グラデーションの色と不透明度を変更するを参照してください。

  • カラー:パーティクルの色を設定するカラーコントロールです(「カラーモード」ポップアップメニューを「カラー化」に設定した場合に使用できます)。各パーティクルのアルファチャンネルを変更して、不透明度を変えることもできます。このパラメータはセルオブジェクトに固有のものです。「カラー」ウェルをクリックしてカラーを選択するか、スポイトを使うか、開閉用三角ボタンを開いて「赤」、「緑」、「青」、および「不透明度」のスライダを調整します。カラーコントロールの使いかたについて詳しくは、基本のカラーコントロールを参照してください。

  • 表示中のカラー:表示時間に従ってパーティクルに付ける色の範囲を設定するグラデーションエディタです(「カラーモード」を「表示中」に設定した場合に使用できます)。グラデーションの左端のカラーから始まって、徐々にカラーの範囲が移動し、表示時間の最後には右端のカラーが割り当てられます。グラデーションコントロールの使いかたについて詳しくは、グラデーションの色と不透明度を変更するを参照してください。

  • カラーの繰り返し:パーティクルの表示中にグラデーション・カラー・パターンが繰り返される回数を設定するスライダです(「カラーモード」を「表示中」に設定した場合に使用できます)。

  • カラーの範囲:新規パーティクルのランダムな色付けに使用するカラーの範囲を設定するグラデーションエディタです(「カラーモード」を「カラーの範囲から選択」に設定した場合に使用できます)。グラデーションカラーの方向は関係ありません。「カラーの範囲」には「表示中のカラー」グラデーションエディタと同じコントロールがあります。

  • 調整:セルの各パーティクルの調整を指定するスライダです。「調整」パラメータの隣にある開閉用三角ボタンをクリックすると、X、Y、および Z の調整のサブパラメータが個別に表示されます。生成されるパーティクルの幅と高さを変更するには X と Y を使用します。3D テキストパーティクルの深度を変更するには Z を使用します。このコントロールはパーティクルの初期調整に適用されます(「パーティクル」ビヘイビアカテゴリの「表示中の調整」ビヘイビアと比較した場合)。

    キャンバス。「調整」パラメータのエフェクトが表示されています

    参考: イメージをパーティクルセルのソースとして使い「調整」を小さい値に設定した場合は、キャンバスの上にある「レンダリング」ポップアップメニューまたは「表示」メニューでレンダリング品質を「最高」に設定します(「表示」>「品質」>「最高」と選択します)。

  • 調整のランダムの度合い:生成されるパーティクルの調整の変動の量を指定するスライダです。値が 0 の場合は変動はなく、選択されたセルのすべてのパーティクルが同じサイズで放出されます。値が 0 より大きい場合は「調整」パラメータで指定した変動が適用され、「調整のランダムの度合い」の設定の範囲内でランダムな値が加算または減算されます。「調整」パラメータの隣にある開閉用三角ボタンをクリックすると、X、Y、および Z の調整のサブパラメータが個別に表示されます。生成されるパーティクルの幅と高さを変化させるには X と Y を使用します。3D テキストパーティクルの深度を変化させるには Z を使用します。

  • エミッタに吸着:移動するエミッタの位置からどのくらい離れてパーティクルがエミッタの後を追うかを設定するスライダです。0 に設定した場合は、放出されたパーティクルが独自のパスで移動するので、パーティクルがエミッタのモーションパスの後を尾を引くように流れます。このパラメータを 100 に設定した場合、ほかのビヘイビアが指定されていなければ、生成されたすべてのパーティクルはエミッタの動きに合わせて移動するため、エミッタはパーティクルの雲に包まれて移動します。

    「エミッタに吸着」が低い値に設定されているパーティクルシステムと、高い値に設定されているパーティクルシステムを対比しています
  • フレームを再生:再生を制御するチェックボックスです(パーティクルシステムが QuickTime ムービーから作成された場合に使用できます)。選択すると、パーティクルの生成に使うアニメーションまたはムービークリップの再生がループします。選択を解除すると、「ランダム開始フレーム」パラメータまたは「ソース開始フレーム」パラメータ(どちらも後述)で指定した静止フレームを使ってパーティクルが生成されます。

  • ランダム開始フレーム:QuickTime オブジェクトから生成されるアニメーションパーティクルに変動を適用するチェックボックスです(パーティクルシステムが QuickTime ムービーから作成された場合に使用できます)。選択すると、新しく生成されるパーティクルが、異なるアニメーションフレームから開始されます。「ランダム開始フレーム」の選択が解除されている場合は、静止フレームがランダムに選択されます。

  • ソース開始フレーム:パーティクルシステムが QuickTime ムービーから作成され、「ランダム開始フレーム」の選択が解除された場合に使用できるスライダです。このコントロールは、アニメーションの開始フレーム(「フレームを再生」チェックボックスを選択した場合)、または表示する静止フレーム(「フレームを再生」チェックボックスの選択を解除した場合)を設定するために使用します。

  • ホールドフレーム:再生中にソースムービーの各フレームを何回繰り返すかを設定するスライダです(パーティクルシステムが QuickTime ムービーから作成された場合に使用できます)。「ホールドフレーム」の値を大きくすると、ゆっくり再生されます。

  • ホールドフレームのランダムの度合い:「ホールド」するフレームの数をランダム化するスライダです(パーティクルシステムが QuickTime ムービーから作成された場合に使用できます)。

  • パーティクルの表示形式:パーティクルをプレビューモードで表示するか、またはそのまま表示するかを設定するポップアップメニューです。デフォルトではこのパラメータは「イメージ」に設定されており、各パーティクルが表示される通りに再生されます。ただし、複雑なパーティクルシステムを表示する場合はイメージ以外のプレビューモードの方が効率的に再生することができ、さらにパーティクルの動きを解析することもできます。このメニューには次の 4 つの項目があります:

    • 点:各パーティクルを 1 つのポイントとして表示します。これは最も高速なプレビューモードで、システムのパーティクルの動きの種類と速度を表示するために役立ちます。

      キャンバス。「パーティクルの表示形式」が「点」に設定されているパーティクルシステムが表示されています
    • ライン:各パーティクルを 1 本のラインとして表示します。パーティクルの動きのベクトルを解析するのに最適なプレビューモードです。線の長さはパーティクルの速度によって決まり、線の角度はパーティクルの方向と等しくなります。

      キャンバス。「パーティクルの表示形式」が「線」に設定されているパーティクルシステムが表示されています
    • ワイヤフレーム:各パーティクルを 1 つの境界ボックスとして表示します。境界ボックスはシステム内の各パーティクルの方向を示すので、このプレビューモードは個々のパーティクルの動きを確認するのに便利です。たとえば、スピンするパーティクルや複雑なモーションパスに従って動くパーティクルの回転角度を簡単に確認することができます。

      キャンバス。「パーティクルの表示形式」が「ワイヤフレーム」に設定されているパーティクルシステムが表示されています
    • イメージ:デフォルト設定です。完全なパーティクルシステムのエフェクトを表示します。

      キャンバス。「パーティクルの表示形式」が「イメージ」に設定されているパーティクルシステムが表示されています

      参考: 最終的なレンダリングには、「パーティクルの表示形式」ポップアップメニューで選択したオプションが表示されます。意図的に使えば、これによって面白いエフェクトが得られることがあります。

  • ポイントのサイズ:ポイントの大きさを調整するスライダです(「パーティクルの表示形式」を「ポイント」に設定した場合に使用できます)。

  • ランダムシード:パーティクルシステムはランダムに見えますが、アルゴリズムによって決められています。つまり、各パーティクルシステムの変動は、「ランダムシード」フィールドに表示される数値に基づいて作成されます。この数値を変更しない限り、同じ「ランダムシード」値のパーティクルシステムは常に同じ動きで再生されます。パーティクルシステムの現在のランダムな動きや分布が適当でない場合は、新しい数値を入力するか「生成」をクリックしてシード値を変更します。これにより、すべてのランダムの度合いパラメータについて、そのシステムに対して実行されるランダム計算が変更されます。

  • パーティクルソース:複数のセルがあるパーティクルシステムでは、各セルを表すイメージウェルが「エミッタ」インスペクタの下に表示されます。「パーティクルソース」の各ウェルには、そのセルを有効または無効にできるチェックボックスがあります。