マスクのシェイプをロトスコープする

マスクのコントロールポイントにキーフレームを設定して、時間と共に変化するようにシェイプをアニメートできます。たとえば、減算マスクをアニメートして前景にあるオブジェクト内の穴の形状を変え、背景にあるほかのレイヤーはそのまま表示させることができます。

より一般的なアニメーションマスクの用途として、前景の対象物のロトスコープがあります。ロトスコープとは、前景の対象物を背景から分離するために手動でトレースするプロセスです。そのエフェクトは、ブルースクリーンまたはグリーンスクリーンのエフェクトに似ています。わざわざそれを行う理由は何でしょうか?さまざまな状況で、ショットに計画性がないと、キーイングが実際的でなかったり不可能であったりすることがあります。キーイングが可能なショットであっても、ガベージマスクまたはホールドアウトマットを作成してエフェクトの品質を向上するために、手動によるロトスコープが必要な場合がよくあります。(マスクを使ってガベージマスクおよびホールドアウトマットを作成する方法について詳しくは、ガベージマスクを使って不要な背景領域をクロップするおよびホールドアウトマスクを使って前景のイメージの一部を復元するを参照してください。)

以下のタスクは、切り離したオブジェクトとその背景に別々のエフェクトを適用するために、マスクを使ってクリップ内のオブジェクトを切り離す方法を示しています。

キャンバス。マスクする前の自動車のイメージ、自動車の周りに描画されたマスク、最終的なロトスコープしたエフェクト(背景はブラーフィルタの影響を受けていますが、自動車は影響を受けていません)が表示されています

マスクおよびシェイプをアニメートするためのプロセスは、どちらも同じです。シェイプアニメーションの例については、シェイプのコントロールポイントにキーフレームを設定するを参照してください。キーフレームの全般的な説明については、キーフレーミングの概要を参照してください。

マスクをアニメートして対象物をロトスコープする

  1. 「表示」>「解像度」>「最大」と選択して、キャンバスが最大解像度で表示されていることを確認します。

    重要: キャンバスの解像度が最大に設定されていないと、オブジェクトやイメージのアウトラインが若干ずれる可能性があります。結果として、最大より低い解像度での対象物をトレースするために作成されたマスクは、正確ではなくなる可能性があります。

  2. マスクのアニメーションを開始する最初のフレームに移動し、対象を正確に分離するマスクを描きます。

    複雑なマスクの描画方法について詳しくは、複雑なシェイプとマスクを描くを参照してください。

  3. 最初のマスクの描画が完了したら、トランスポートコントロールの「記録」ボタンをクリックして(または A キーを押して)、キーフレームの記録をオンにします。

    キャンバスのトランスポートコントロールの「記録」ボタン
  4. マスクの形状を変更する「タイムライン」の最初のフレームに移動し、キャンバスでマスクのコントロールポイントをドラッグします。

    キャンバス。時間の経過に伴って変化するマスクが表示されています

    参考: マスクが選択解除されている場合は、そのマスクを「レイヤー」リストで選択して、そのコントロールポイントがキャンバス内で見えるようにする必要があります。マスクが見えるように、「レイヤー」リストのマスクを表示/隠すボタンを必ず選択するようにします。

  5. 引き続き再生ヘッドを移動し、コントロールポイントをドラッグします。

    大雑把な方法としては、キーフレームが設定された任意の 2 つのマスクシェイプ間の中間のフレームに移動して、新しく調整を行います。マスクが対象物の動きを正確にたどるようになるまで、すべての 2 つのキーフレーム間の中間点で形状変更のキーフレーム設定を続けます。不規則な形状のオブジェクトや複雑な動きをするオブジェクトでは、大量のキーフレームを追加する必要のある場合がよくあります。ロトスコープは短時間でできる作業ではありません。

    再生ヘッドを新しいフレームに移動してマスクのシェイプに変化を加えるたびに、「キーフレームエディタ」ではそのシェイプの「シェイプアニメーション」チャンネルにキーフレームが作成されます。既存のキーフレーム上に直接再生ヘッドを移動すると、キーフレームを作らずにそのポイントでマスクの形状を変更することになります。

  6. マスクのアニメーションが完了したら、「記録」ボタンをもう一度クリックして(または A キーを押して)、キーフレームの記録をオフにします。